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Braid

Jonathan Blow/Number None / 2008 / ゲーム

読者が誤認するもの

人物›人物の属性›役割
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層メタ
媒体固有T-ゲーム/プレイヤー=主人公の誤認
効果E-プレイヤー=主人公E-ジャンルの約束は守られる

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

仕掛けの要約【ネタバレ】

受け手は、自分が操作している主人公が、物語のどちらの側にいるかを誤認する。

本作は、主人公ティムが、恐ろしい怪物にさらわれた姫を探す旅として始まる。各ワールドの終わりでは、姫はここにはいないと告げられ、受け手は姫を救いに向かう主人公を操作して先へ進む。古典的な横スクロールアクションの、姫を救う筋立てがそのまま借りられている。

最後のワールドでは、甲冑の騎士に捕まっていた姫が逃げ出し、主人公と並んで走る。姫は行く手の仕掛けを動かし、主人公はそれに助けられるようにして姫の家にたどり着くが、そこで締め出される。

このワールドでは、主人公以外の時間が逆向きに流れていた。巻き戻して出来事を正しい向きで見直すと、姫は主人公から逃げていて、仕掛けは主人公の行く手をふさぐための罠であり、騎士は姫を主人公から救い出す側だった。姫が逃げていた「怪物」は、主人公自身だったことになる。

同じ場面が、逆向きの一回目と正しい向きの二回目で、正反対の意味で通る。叙述の層はここにある。

騙しの技術

  • 借りた型で、操作する人物を救い手にする。 姫と怪物、城、旗といった古典的な救出劇の道具立てが前面に出ている。この型では、受け手が操作する人物が姫を救う英雄で、甲冑の男がさらった側である。受け手は型どおりにそれを受け取り、確かめようとしない
  • 逆向きの時間を、遊びの仕掛けとして先に教えておく。 本作は全編を通じて時間の巻き戻しを遊びの中心に置き、ワールドごとにその規則を変えてきた。最後のワールドで時間が逆に流れていることも、それまでと同じ「このワールドの規則」として受け取られる。受け手はこの規則を、パズルを解くための条件として扱い、目の前の出来事の向きを読み替える手がかりとは考えない
  • 逆向きの出来事を、協力として見せる。 逆向きに見ると、閉じていく罠は開いていく通路に、主人公から離れる姫は主人公と並んで走る姫に見える。出来事そのものは描かれていて、何も隠されていない。描かれる順が、意味を逆に見せている
  • 冒頭の言葉は主人公の側から語る。 各ワールドの冒頭の文章は、主人公の思いと過ちを主人公の側から語り、姫を救う旅という枠組みを与える。怪物が何者かは説明されない

フェアプレイの担保

  • 最後のワールドでは、主人公以外のものが逆向きに動き、音楽も逆に流れている。時間が逆行していることは画面と音で示されている
  • 正しい向きで見直すと、姫の動きはどれも主人公を避ける動きとして通る。逆向きのとき、姫は一度も主人公のほうへ向かってきていない
  • 各ワールドの冒頭の文章には、主人公自身の過ちや嘘、相手を裏切ったことをほのめかす言葉が繰り返し出てくる。主人公が単純な英雄でないことは、早くから言葉の側で示されているという指摘がある
  • 冒頭で姫をさらったとされる「怪物」は、最後まで具体的に示されない

効き目

  • 種明かしの場面そのものが、同じ出来事の再生である。受け手は記憶の中で読み返すのではなく、目の前で同じ場面を逆の意味で見せられる。遊び直さなくても、読み替えがその場で起きる
  • 受け手が自分の手で進めてきたのは、救出ではなく追跡だったことになる。主人公の誤りが、操作してきた受け手の誤りとして返ってくる
  • 救出劇の型を借りた作品が、その型の上に立つ受け手の思い込みを使って、型そのものを裏返している。古典的な救出劇の構図を問い直すものとして広く評されている

弱点・破綻しやすい点

  • 時間の逆行は隠されていない。 周囲が逆向きに動き、音楽も逆に流れているので、注意深い受け手は、目の前の出来事を正しい向きに直して読むことができる。型の力がそれを上回るかどうかに、効き目が懸かっている
  • 言葉の側の伏線が強い。 冒頭の文章が主人公の過ちや嘘を繰り返しほのめかすので、主人公を疑いながら遊ぶ受け手もいる
  • 物語の全体は多義的に作られている。 隠された要素や結びの文章は、まったく別の寓意(兵器の開発)として読む考察を呼んでいる。どの読みを取っても最後のワールドの反転は変わらないが、受け手によっては、反転が寓意の解釈に呑まれて薄まる
  • 最後のワールドは、全ワールドを解き終えたあとでしか遊べない。 時間操作のパズルの難しさから、ここまでたどり着かない受け手もいる

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