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G線上の魔王

るーすぼーい/あかべぇそふとつぅ / 2008 / ゲーム

読者が誤認するもの

人物›人物の誤認›複数を一人
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層複合
叙述N-人物の同一と別
媒体固有T-共通/語り手の信頼性
効果E-挿入される断章は本編と対応しているE-続けて描かれる場面は同じ場所の出来事であるE-語り手は自分の行為を知っている

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

🔞 この項目が扱う作品は成人向けとして頒布されたものです。作品の入手・視聴は18歳以上に限られます。本ページは仕掛けの構造のみを扱い、性的な描写は含みません。

仕掛けの要約【ネタバレ】

物語は、二つの側から交互に語られる。

一つは主人公の一人称。表では普通の学生、裏では裏社会の養父の仕事を手伝う青年である。

もう一つは、街で知能犯罪を重ねる正体不明の人物〈魔王〉の側の場面である。

主人公にはひどい頭痛と記憶の欠落がある。

魔王が動く時期と、主人公の不調の時期が重なっていく。

魔王の側の場面は正体を明かさないまま書かれ、主人公の場面のすぐ隣に置かれる。

受け手は、魔王は主人公のもう一つの人格だと読む。

作中でも、主治医が人格の交代を疑い、主人公自身も魔王が自分の内にいるのではないかと恐れる。

真相では、二人は別人である。

魔王は、死んだことになっていた主人公の兄だった。

主人公の記憶の欠落は心因性のもので、魔王の犯行とは関係がない。

騙しの技術

受け手にだけ見える場面で、二人を重ねる。

魔王の側の場面は作中の誰も見ていない。受け手だけが読む。

その場面を、主人公の場面と一続きに見えるように並べる。

  • ヒロインが脱衣所へ向かった直後に、魔王の部屋の浴室の場面に切り替わる。

受け手は、同じ家の同じ夜の出来事だと読む

  • 魔王の側の文章は、主人公のものとしても読めるように書かれる

作中の疑いを、受け手の読みの裏づけに使う。

主治医の見立て、主人公の自己不信、魔王が主人公と同じ姓を名乗ること。

作中人物が抱く疑いは、受け手が魔王の場面から得た読みを、外側から補強する。

→ 作中の誤認と、受け手だけが受け取る配置が同じ方向を向いている。

語り手の欠落を隠さない。

主人公は記憶が飛ぶことを自分で語る。

受け手は「語り手が知らない時間に、語り手が何かをしている」と埋める。

フェアプレイの担保

  • 序章に、主人公の語りと食い違う人物が写った写真が出てくる(真相への手がかりとされる)
  • 真相の後で振り返ると、魔王の場面の多くは別人のものとしても通るように書かれている
  • ⚠️ 主人公以外のヒロインの筋では魔王の扱いが別になり、魔王の場面の一部は兄のものとして読みにくい、という指摘がある

効き目

  • 「主人公が犯人の別人格」という、受け手が先回りしやすい答えをわざと見せる。

受け手は早い段階でその答えに飛びつき、そこで考えるのをやめる

  • 兄という第三の人物は、存在が語られる時点まで推理の候補に入らない
  • 真相が一つの章で片づいた後に、さらに最終章が始まる構成が、別の驚きを重ねる

弱点・破綻しやすい点

  • 示唆が露骨すぎるという評が多い。叙述トリックに慣れた受け手ほど、別人格の読みを罠だと見抜く
  • 兄の存在が語られた時点で、正体の見当がついてしまう
  • ⚠️ ヒロインごとの筋と、本筋の真相とが噛み合わない箇所がある。作者の意図した二重の読みか、構成上の矛盾か、評が割れている

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