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無能なナナ

るーすぼーい / 2016 / マンガ ・ アニメ

読者が誤認するもの

人物›人物の隠匿›視点人物の隠匿
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層メタ
叙述N-語り手の正体
媒体固有T-アニメ/造形の約束T-アニメ/ジャンルの型T-共通/身構えの利用
効果E-主人公は最初に示された人物E-ジャンルの約束は守られる

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

先に作品にあたるなら、こちらから。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

受け手は「誰が主人公か」を誤認する。

マンガが原作で、のちにアニメ化された。仕掛けは両方に共通する。

冒頭は、能力を持つ少年の側から始まる。

学園、訓練、仲間、ほのかな恋愛——この媒体の型どおりに進行する。

受け手は当然、その少年を主人公として見る。

その少年は、転校生の少女に殺される。

主人公は少年ではなく、少女のほうだった。

彼女は能力を持たず、能力者たちを排除するために送り込まれている。

騙しの技術

造形が役割を示す、という約束を使う。

この媒体では、キャラクターデザインが人物の役割を告げる。

主人公らしい造形、脇役らしい造形、背景の人物らしい造形——

受け手は絵柄から役割を読み取ることに慣れている。

その割り当てを裏切る。

独白から始める。

冒頭に内面の語りを置くことで、その人物が視点の持ち主だと確定させる。

語りの主=主人公という了解を利用している。

ジャンルの型どおりに進める。

学園、訓練、能力の披露、仲間との交流、恋愛の気配——

枠組みの約束が守られている限り、受け手はその枠組みの中で予測する。

第1話の大半が「約束を守ること」に使われている。

関係を作らせる。

危機を救う場面や日常の会話を通して、受け手に人物への愛着を持たせる。

愛着があるほど、退場が想定外になる。

フェアプレイの担保

  • 題名が真相を指している(「無能」=能力を持たないこと。少女の側の説明)
  • 少女の振る舞いには、観察と計算の描写が置かれている
  • 心を読んでいるように見える言動は、実際には推理であることが後に説明される

効き目

  • 第1話の内側で完結している。 仕掛けが早い段階で明かされ、以後は別の緊張に切り替わる
  • 媒体の約束(造形が役割を示す)そのものを標的にしている
  • 型どおりに進めた時間が長いほど、裏切りが効く

弱点・破綻しやすい点

  • 同じ手は二度使えない。 連続する形式では、以後この仕掛けを繰り返せない
  • 「これを叙述と呼ぶべきか」について賛否がある。

仕掛けが早く明かされるため、驚きの演出に近いという見方もできる

  • 造形の約束に馴染みのない受け手には、そもそも誤認が起きない

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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