一覧 / アザーズ

アザーズ

アレハンドロ・アメナーバル / 2001 / 映像

読者が誤認するもの

人物›人物の属性›生死
詳しい分類を見る
層メタ
叙述N-人物の属性
媒体固有T-映像/接触の回避T-映像/カメラの嘘T-共通/身構えの利用
効果E-語り手は生きているE-画面にいる=その場にいる

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

先に作品にあたるなら、こちらから。

PR:本ページはアフィリエイト広告を含みます。

仕掛けの要約【ネタバレ】

幽霊屋敷ものの型を、そっくりそのまま裏返した作品。

観客は、屋敷に住む一家を生きている側として見る。

何者かが屋敷に入り込んでいる——そう感じながら、一家と同じ位置から物語を追う。

実際には一家のほうが死者であり、

「侵入者」として恐れられていた存在こそが生きている人間だった。

題名が指しているのはこの反転である。

前半で「自分たちとは違う存在」と呼ばれていたものが、

真相では逆の側から見た呼び名になる。

騙しの技術

ジャンルの型を、そのまま前提として使う。

幽霊屋敷ものでは「住人が生者、侵入するものが霊」と決まっている。

観客はその配置を疑わない。作品は一行もそれを主張しないまま、型に乗るだけでよい。

制約に、現実的な説明を与えておく。

光を避ける、窓を閉め切る、屋敷から出ない——

いずれも病気や事情として説明される。説明がある以上、観客はそこで検算を止める。

外へ出られない状況を、自然に作る。

濃い霧などによって屋敷の外へ行けない状態が保たれる。

世界が屋敷に閉じている理由が、雰囲気づくりとして処理される。

人物の登場のしかたに、現実感を欠かせる。

ある人物の現れ方が不自然であることが、その時点では超常の演出として読まれる。

フェアプレイの担保

  • 制約(光・外出・霧)はすべて画面に提示されており、隠されていない
  • 屋敷で働く者たちの言動に、自分たちの状態を知っていると分かる箇所がある
  • 真相を知って見返すと、同じ場面が反対側から矛盾なく読める

効き目

  • ジャンルの型そのものが仕掛けの土台になっている。作品は何も嘘をつかず、型に乗るだけでよい
  • 反転が、恐怖の対象と被害者の立場を同時に入れ替える
  • 題名が真相を指しており、意味が事後に変わる

弱点・破綻しやすい点

  • 同じ型の作品が増えたため、現在の観客は反転を予期する
  • 制約に理由を与え続ける必要があり、脚本の自由度が下がる
  • 反転を知ってから観ると、恐怖の演出が機能しなくなる(怖がっている側が実は…と分かるため)

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

関連する型シックス・センス姑獲鳥の夏

← 一覧に戻る