類別叙述トリック集成

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姑獲鳥の夏

京極夏彦 / 1994

ネタバレ度:致命
メタ
叙述N-語り手の信頼性N-人物の同一と別
媒体固有T-小説/一人称の空白
効果E-語り手は正しく知覚しているE-語り手は正直
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

一人称の語り手は嘘をついていない。正しく知覚できていない

読者は「語り手が嘘をつくかどうか」は疑っても、

「語り手が見たものを正しく認識しているか」は疑わない

本作はその一段手前を突く。

語り手は、その場にあるものを知覚から欠落させたまま語る。

本人に隠す意図はなく、心理的な抑圧によって認識が成立していない。

したがって語りは終始誠実であり、しかし現実と食い違っている

騙しの技術

語り手の不認識を、部分的な知覚として書く。

対象そのものは認識されないが、それに付随する断片だけは記述される。

読者は書かれた断片から場面を組み立てるが、中心にあるはずのものが欠けていることに気づかない。

認識の不確かさを、性格の描写として先に見せる。

語り手が不安定な人物であることは早くから示される。

読者はそれを人物造形として受け取り、記述の信頼性の問題としては扱わない

怪異の枠を用意する。

超常的な事象として提示される謎があるため、

読者は「説明のつかないこと」の原因を世界の側に求める。

語り手の認識を疑う動機が生まれない。

フェアプレイの担保

効き目

一段深い位置に疑いを移した

弱点・破綻しやすい点

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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