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ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期

小高和剛/スパイク・チュンソフト / 2017 / ゲーム

読者が誤認するもの

人物›人物の属性›役割
行為›行為の隠匿
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層メタ
叙述N-人物の属性N-行為の偽装
媒体固有T-共通/語り手の信頼性T-共通/囮の仕掛けT-ゲーム/プレイヤー=主人公の誤認
効果E-プレイヤー=主人公E-主人公は最初に示された人物E-犯人の内心は描かれないE-ジャンルの約束は守られる

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

先に作品にあたるなら、こちらから。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

超高校級の才能を持つ16人の高校生が学園に閉じ込められ、殺し合いと、犯人を突き止める学級裁判を強いられる。プレイヤーは冒頭から、ピアニストの赤松楓を操作する。冒頭の独白で彼女は自分をこの物語の主人公だと名乗り、プレイヤーは彼女の目と内心を通して、探偵の最原終一と組んで首謀者を捕まえる計画を進め、最初の事件を調べ、裁判に臨む。

最初の事件で、首謀者を誘い出すために二人で仕掛けた隠し撮りの装置とは別に、赤松は一人で、首謀者を殺すための罠を仕掛けていた。プレイヤーは彼女を操作して、その準備と作動の場面を通過している。ところが画面の語りは、彼女が何をしたかを、別の行動に読める言い方でしか書かない。そのためプレイヤーは、操作している主人公を、事件を調べる側の人物として最後まで疑わない。

裁判の終盤で、罠を仕掛けたのが赤松だったことが明かされ、彼女はクロと裁定されて処刑される。操作はそこで最原に移り、物語は彼を主人公として続く。最初に主人公として渡された人物が、主人公の役を降り、事件の犯人の役に置き直されたことになる。

なお、最終章ではこの事件が裁判のやり直しの形で再び取り上げられ、別の真相が示される。罠を仕掛けたのが赤松であることは、そこでも変わらない。

騙しの技術

  • 行動は書き、意味は伏せる。 罠の準備にあたる行動は、画面の語りにそのまま出てくる。ただし、持ち物をまとめてしまい込む、本を並べ直す、手にしていたものを投げる、という水準でしか書かれない。直前に別の作業(掃除など)をさせておくことで、プレイヤーは同じ一文を、その作業の続きとして読む
  • 共同の計画を前に出す。 二人で進める隠し撮りの計画が、プレイヤーにとっての「作戦」として丁寧に描かれる。本命の罠はその準備の場面に紛れ込ませてあり、プレイヤーの注意は共同の計画のほうに向く
  • 内心を描きながら、意図だけを語らせない。 操作している人物の内心は描かれ続けるので、プレイヤーは彼女の考えをすべて知っていると思う。罠についての意図はそこに出てこない
  • 主人公として渡す。 冒頭の名乗り、操作の担当、調べる側の立ち位置がそろっているため、プレイヤーは彼女を事件の外側にいる人物として扱う。シリーズの前作までは、操作する主人公が調べる側に立ち続ける作りだったことも、この扱いを支える
  • 作品の外でも主人公として紹介する。 発売前の紹介や体験版で、赤松は主人公として前面に出されていた。制作側はこれを仕掛けの一部として扱っている

フェアプレイの担保

  • 倉庫の場面で、彼女が手にした物をまとめてしまい込むとき、その中に事件の凶器が含まれていたことを、語りは否定していない
  • 本を並べ直す場面と、手にしていたものを投げる一文は、真相を知って読み返すと罠の準備と作動の記述として通る
  • 1章の章題は、二人の一人称を並べた形になっている

効き目

  • 操作している主人公がクロになるという展開は、シリーズを知って身構えていたプレイヤーにも予想されにくく、強い衝撃として受け取られている
  • 真相が出た瞬間に、それまで操作してきた1章の行動の意味が変わる。調べる側として過ごした時間が、犯人の側の時間に置き換わる
  • 主人公の交代という形式上の出来事と、犯人の判明が同時に起きるため、一つの仕掛けで二つの驚きが起きる
  • 裁判の終盤で、真相に気づいた最原が彼女を告発する側に回る展開は、プレイヤーの操作の担当を移すことと一体になっている

弱点・破綻しやすい点

  • 発売前から主人公の交代を予想する声は広くあった。予想を持って遊んだプレイヤーには、主人公が退場すること自体は驚きにならない
  • 作品の外の紹介まで使ったことへの批判がある
  • 最終章で事件の真相が組み替えられるため、1章の裁判の結論そのものは最後まで残らない。罠を仕掛けたことは変わらないが、1章で受け取った「犯人の役」は、最終章で別の位置に置き直される

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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