仕掛けの要約【ネタバレ】
通称が、犯人の性別を含意している。
ある村で、両目を大きな裁ち鋏で突かれた死体が次々に見つかる。
作中では、これを都市伝説の怪人「ブラインドマン」の仕業として扱う。
深夜に一人歩きしている者の前に現れ、鋏で目を突く通り魔である。
受け手は「ブラインドマン」という語から、犯人を男だと読む。
真相——都市伝説そのものが、ある民俗学者の創作である。
情報がどう伝播し変容するかを調べるために、彼が作り出して広めたデマだった。
そして、その名を借りて実際に殺人を行っていたのは女性である。
(介護福祉施設の職員)
騙しの技術
作中の第三者に、通称を付けさせる。
「ブラインドマン」と名付けたのは作り手ではない。
作中の民俗学者が創作し、噂として広まったものである。
→ 作り手は嘘をついていない。
受け手は通称を「事件の要約」として受け取る。
「マン」で属性を含意させる。
外来語の「マン」は男性を含意する。
→ 受け手は容疑者の中から男を探す。
女性の関係者は、はじめから候補から外れる。
都市伝説という枠組みを与える。
「怪人の仕業か、人間の仕業か」を争点にする。
→ 受け手の注意は「超常か否か」に向かい、 「その怪人は男なのか」という問いが立たない。
(T-共通/囮の仕掛け)
凶器を通称と結びつける。
鋏で目を突くという手口が、通称の由来として機能している。
→ 通称に具体的な根拠があるため、疑われない。
フェアプレイの担保
- 通称を付けたのは作中の人物であり、作り手ではない
- 都市伝説が創作であることは、作中で説明される
- 女性の関係者は容疑者として提示されている
- ⚠️ ただし「マン」が男を含意するという言語的な前提は、 作品が明示的に利用していると確認できていない(下記)
効き目
- 通称は事件の要約として受け取られるため、疑われにくい
- 「都市伝説は実在するか」という争点が、性別への注意をそらしている
- 分岐によって複数のシナリオが用意されており、本編は真相にあたる筋である
弱点・破綻しやすい点
- 「マン」の含意に頼るため、受け手が語感を意識しないと成立しない
- ⚠️ 通称による含意は、ミステリを読み慣れた受け手には疑われやすい
(TDB-0008 が知られているほど、同じ手は効かなくなる)
- ゲームであるため、分岐やエンディングの構造が仕掛けを分散させる