類別叙述トリック集成

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電氣人間の虞

詠坂雄二 / 2009

ネタバレ度:致命
メタ
叙述N-語り手の正体N-語りの階層
媒体固有T-共通/予告と挑戦T-小説/一人称の空白T-小説/組版と書式
効果E-語り手は物語の外にいるE-語り手は人間であるE-語られた世界は作品の現実
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

「電気人間」という都市伝説を追う話である。

書き手が怪異の正体を探る。

噂の出どころを辿り、仮説を立て、検証する。

しかしどの仮説も否定される。

読者は、この話を三人称で語られたものとして読む。

語りは誰の視点にも属していないように見える。

真相——語っていたのは「電気人間」自身だった。

三人称に見えていたものが、当事者の一人称だった。

怪異の存在を疑う調査が、その怪異自身の手で語られていた。

騙しの技術

人称を確定させない。

日本語は主語を書かなくても文が成立する。

語り手を名乗らせなければ、三人称にも一人称にも読める。

読者は「書かれていない主語」を、 自分の常識で『語り手は物語の外にいる』と埋めている。

帯で予告する。

「ラスト2行の衝撃。先読み禁止」と明示されている。

それでも成立する——TDB-0051・TDB-0058 と同じ型。

身構えた読者は「ラスト2行」を警戒する。 警戒の対象が「結末の内容」に向かい、 「ここまで誰が語っていたか」には向かわない。

仮説を立てては潰す。

作中で複数の説明が試され、いずれも否定される。

読者の注意は「どの仮説が正しいか」に集中する。

「誰が語っているか」という問いが立たない。

都市伝説という主題を使う。

怪異が実在するかどうかが、作中の争点になっている。

「語り手が怪異である」という可能性は、 争点の外側にあるため疑われない。

フェアプレイの担保

(主人公の出自・ある人物の正体など)

効き目

「怪異は実在するか」という問いに、 語りの構造そのものが答えている

弱点・破綻しやすい点

解決を求める読者には不満が残る

読み返してみませんか。

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