仕掛けの要約【ネタバレ】
二つの視点を切り替えて進める形式そのものが、仕掛けの土台になっている。
二人の主人公の物語が並行して語られ、プレイヤーは視点を切り替えながら進める。
片方だけを進めると行き詰まり、もう片方を進めることで先へ進めるようになる。
プレイヤーはこの構造から、二つの視点は同じ時間を別の角度から見ていると受け取る。
実際には両者のあいだに時間のずれがある。
そのずれによって、一方の人物が別の人物の犯行を目撃したと認識する場面が生まれる。
目撃そのものは起きているが、それがいつの出来事なのかが食い違っているため、
見たものの意味が変わる。
加えて、登場人物の記憶が失われていることが明かされないまま進む箇所があり、
そこまでに見聞きした情報が誤っていたと後から分かる展開が繰り返される。
騙しの技術
視点の切り替えを、同時進行の証拠として読ませる。
二つの視点を行き来する形式は、両者が同じ時間を共有しているという印象を作る。
形式は時間関係を主張していないが、プレイヤーが補ってしまう。
日付を示したうえで、ずらす。
日付は画面に提示される。プレイヤーはそれを確定した事実として処理する。
一日のずれは、二つの視点を突き合わせるまで検算されない。
目撃という最も強い証拠を、意味の違うものにする。
見たこと自体は嘘ではない。いつ見たかが違うだけで、結論が反転する。
記憶が失われていることを伏せる。
語り手が自分の記憶の欠落を認識していないため、
語りは誠実なまま、前提が誤っている状態が保たれる。
フェアプレイの担保
- 日付は各視点で提示されており、突き合わせれば食い違いに気づける
- 片方だけでは行き詰まる構造になっており、両方を見ることが強制される
- ⚠️ ただし重要な情報が意図的に伏せられており、独力で推理するのは困難だという指摘がある
効き目
- 二視点形式という、シリーズの看板そのものが仕掛けの土台になっている
- 「見た」という最も強い証拠が、時間のずれ一つで反転する
- 展開が二転三転する構成が、この作者の持ち味として評価されている
弱点・破綻しやすい点
- 記憶に関わる事件であるため、「今まで見てきた情報が誤りだった」という展開が続き、 物語自体が理解しにくいという指摘がある
- 完全な理解には複数回のプレイが要るとされる
- 情報が意図的に伏せられているため、推理の余地が狭い