仕掛けの要約【ネタバレ】
二人の人物がそれぞれの立場から、ある作家の死を追う。
その二つの調査が交互に語られるため、読者は同じ一つの死を追っていると読む。
実際には、追われているのは別々の死である。
二つの調査のあいだには一年の隔たりがあり、
同姓同名の別人が、一年違いの同じ日付に死んでいる。
日付が一致していることが、同一の事件だという確信を強める方向に働く。
騙しの技術
交互配置で、同時進行だと思わせる。
二つの調査を交互に置くだけで、読者は並走していると読む。
構成は形式であって、時間関係の主張ではない——この穴を使う。
同姓同名を用意する。
名前が同じであれば同じ人物だ、という前提は極めて強い。
どちらの名も正しく、嘘は書かれていない。
日付を一致させる。
月日が同じであることが、偶然ではなく同一性の証拠として読まれる。
年が違うという一点だけが伏せられている。
フェアプレイの担保
- 二つの調査の関係を検算する材料は本文に置かれている
- 読者が真相を推理できる地点で、推理を促す区切りが明示的に設けられている
- 違和感に気づけば比較的早く見抜けるという評価が複数ある
効き目
- 交互章+時間差という型の先駆として位置づけられている
- 日付の一致という、本来は手がかりであるものを誤誘導に転用している
- 真相が判明すると、二つの調査の関係が丸ごと組み替わる
弱点・破綻しやすい点
- ヒントが多く、最初の違和感に気づくと比較的容易に見抜けるという評が複数ある
- 同姓同名という設定は、現代の読者には仕掛けの気配として読まれやすい
- この型は以後広く使われたため、先駆であることを知らないと平凡に見える
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