類別叙述トリック集成

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慟哭

貫井徳郎 / 1993

ネタバレ度:致命
メタ
叙述N-時間の並行N-人物の同一と別N-時間の順序
媒体固有T-小説/呼称の揺れ
効果E-描かれた全部が同じ世界E-語り順=時系列
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

章が二系統に分かれ、交互に語られる。

一方は連続する幼女誘拐事件の捜査、もう一方は娘を失って新興宗教にのめり込む男の話。

読者はこの二つが同時期に進行している別々の人物の物語として読む。

実際には時期がずれており、二人は同一人物である。

捜査する側だった人物が、その後に別の姓を名乗り、もう一方の章の人物になっている。

騙しの技術

姓が変わることを、姓の違いとして読ませる。

同一人物が事情により別の姓を名乗る。どちらの姓も本人のものだが、

読者は姓の違いを人物の違いとして処理する。

交互配置で同時進行を暗示する。

章を交互に置くことで、二つの物語が並走しているという印象が作られる。

実際には片方が他方より後の時期にある。

犯人像を重ねて見せる。

宗教にのめり込む男の姿が、捜査側が追う犯人像と重なるように書かれる。

読者は「この男が犯人ではないか」という別の推理に誘導され、

二人が同一人物である可能性そのものを検討しない

フェアプレイの担保

効き目

仕掛けの解決と情緒の頂点が同じ場所にある

弱点・破綻しやすい点

(「今読むと仕掛けが素直に見える」という指摘がある)

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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