類別叙述トリック集成

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予言の島

澤村伊智 / 2019

ネタバレ度:致命
複合
叙述N-語り手の正体N-内心の帰属N-人物の同一と別
媒体固有T-小説/一人称の空白T-共通/囮の仕掛け
効果E-語り手は物語の外にいるE-登場人物は人間であるE-事件には外部の犯人がいる
手段M-隠蔽と隠し場所M-偶然と自然現象
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

島に伝わる予言のとおり、人が次々に死んでいく。

だが終盤、謎はほとんど解けてしまう。

怪異の正体は現実的な原因であり、犯人も動機も判明する。

そして最後の最後に、新しい謎が出る——「誰が◯◯を殺したのか」。

真相——全編にわたって隠されていた人物が、そこで犯人として現れる。

### 一人称を、三人称に見せかけている

これは〈視点人物の隠匿〉の型である。

だが、前例とは二点で大きく違う。

### 違い①——隠された人物が、隔離されていない

この型では通常、隠された人物を他の登場人物から隔離する。

そうしないと、会話などのやりとりで存在が浮かび上がるからである。

本作の隠された人物は、ほとんど隔離されていない。

直接言及されないことについては、遠慮のような「心理的な隔離」があるとも言えるが、 前例と比べれば明らかに弱い。

### 違い②——偽装の宛先が違う

前例の大半は、三人称客観視点に偽装している。

内面描写ができないぶん、地の文が薄くなる。

本作は、内面描写のある三人称単視点に偽装している。

同行している人物の視点だと読める。

前例を知っている読者ほど、気づきにくい。

### 違い③——犯行のタイミングが、極端に遅い

隠された人物が犯行に及ぶのは、結末ぎりぎりである。

理由は、隔離されていないことにある。

犯行が起きれば、作中の人物にとって犯人は一目瞭然になってしまう。

少なくとも容疑者として検討せざるを得なくなる。

隔離しない代償を、時間配置で払っている。

騙しの技術

隔離しない。代わりに、寄り添わせる。

隠された人物を、視点人物のように見える人物のそばに置く。

二人が常に一緒にいるので、記述が一人分に見える。

内面描写を残す。

三人称客観に偽装すると、内面が書けなくなる(前例の弱点)。

単視点に偽装すれば、内面を書ける。

地の文が自然になる。

言及されないことに、感情的な理由を与える。

その人物について直接語られないことに、遠慮のような空気が作られている。

謎を先に解ききって、油断させる。

終盤で謎がほとんど解決してしまう。

読者は「もう終わった」と思う。

そこに最後の謎が出る。

怪異を、現実的な原因に着地させる。

超自然の恐怖が、物理的な原因だったと分かる。

合理化が済んだという感覚が、警戒を解く。

フェアプレイの担保

効き目

弱点・破綻しやすい点

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