類別叙述トリック集成

一覧 / 螢

麻耶雄嵩 / 2004

ネタバレ度:致命
メタ
叙述N-語り手の正体N-逆叙述N-人物の属性
媒体固有T-小説/一人称の空白T-小説/呼称の揺れ
効果E-語り手は名前で示された人物E-一人称は同一人物
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

仕掛けが二つあり、向きが逆になっている。

ひとつは語り手の正体。一人称で語られるが、読者はその語り手を、

場面の流れから自然に特定できる人物だと思い込む。実際には別の人物が語っている

もうひとつは性別の誤認だが、こちらは向きが反対である。

ある人物の性別について、読者には正しい情報が与えられており、 誤認しているのは作中の人物たちのほう。通常の叙述トリックが反転した形になっている。

騙しの技術

語り手を、印象の薄い位置に置く。

真の語り手は、登場人物の紹介場面でほとんど描写も台詞も与えられない。

読者の記憶に残らない人物として処理されるため、語り手の候補から自然に外れる

感情の記述で、別の人物を語り手だと思わせる。

故人への感情が綴られる箇所があり、その感情を抱くのが自然な立場の人物が別にいる。

読者はその人物を語り手として同定する。書かれているのは感情だけで、誰のものかは書かれていない。

位置関係の記述に、正解を置く。

座席の位置や部屋の割り当てといった空間の記述が本文にあり、

真の語り手がどこにいたかを示している。読み流されるが、嘘ではない。

性別は、作中人物の側の思い込みとして書く。

当人が用いる一人称と、周囲の扱いによって、作中人物たちは性別を取り違える。

読者はその取り違えを外から見ている状態に置かれる。

フェアプレイの担保

効き目

読者だけが真実を知っている仕掛けが並走する

弱点・破綻しやすい点

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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