類別叙述トリック集成

一覧 / 探偵スルース

探偵スルース

アンソニー・シェーファー / 1970

ネタバレ度:致命
複合
叙述N-人物の同一と別N-人物の属性
媒体固有T-共通/配役表の嘘T-映像/兼役と替え玉
効果E-図版は客観的な資料E-同じ絵/同じ声=同じ人物
手段M-人物すり替え
媒体舞台映像

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

仕掛けが作品の本体ではなく、配役表の中にある。

登場するのは実質的に二人だけである。

しかし配役表には、実在しない演者の名が複数載っている——

存在しない役に、存在しない俳優が割り当てられている。

受け手は配役表を客観的な情報として読む。

そこに並んだ名前の数だけ人物がいると考え、

画面に現れた別人が、実は同じ人物の変装であることに気づかない

同じ手法が舞台の上演でも用いられていたと記録されている。

媒体を移しても同じ形で成立した例である。

騙しの技術

作品の外側にある一覧に、偽の情報を置く。

配役表は物語の一部ではない。制作の事実を伝える情報として読まれる。

だからこそ疑われない。受け手は本編を疑っても、クレジットは疑わない。

実在しない演者の名を作る。

役名だけでなく演者の名前まで用意されている

一覧としての体裁が完全なので、不自然さが生じない

同一の演者が別人を演じる。

配役表が別人の存在を保証しているため、

受け手は演じ分けを「別の俳優」として処理する

人数そのものを誤らせる。

「この作品には何人出ているか」——受け手はこれを疑わない。

配役表がその答えを与えているからである。

フェアプレイの担保

「地の文に嘘を書かない」という原則と対比して検討する必要がある

配役表は「地の文」なのか。これは叙述トリックの定義そのものに関わる問いである

効き目

シックス・センス『ファイト・クラブ』が接触の回避という高い制約を払っているのと対照的)

弱点・破綻しやすい点

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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