仕掛けの要約【ネタバレ】
架空の那古野市を舞台に、探偵の保呂草順平・大学生の小鳥遊練無・香具山紫子・自称科学者の瀬在丸紅子の4人が、1年に一度決まった日に起こる殺人事件に関わっていく。保呂草は事件当初から依頼を受けて調査に加わり、他の3人とともに現場に立ち会い、推理を語る一員として物語を通じて描かれる。
終盤、この一連の事件の犯人が、探偵として振る舞い続けてきた保呂草順平その人であったことが明かされる。より正確には、「保呂草順平」という名で活動していた人物の正体が秋野秀和であり、秋野は数年前に偶然殺害した少女をきっかけに人を殺す快感を覚え、以後ゾロ目の年齢の人物を狙って毎年殺人を重ねていた。
物語は一貫して「保呂草」という名で彼を指し示し続け、彼が事件を調査する側の人間として自然に振る舞う場面を積み重ねる。読者は他の登場人物と同様、保呂草を捜査に協力する一人として受け取ったまま終盤まで進むことになる。
騙しの技術
- 地の文・会話ともに、犯人を一貫して「保呂草」の名でのみ呼び、真の氏名(秋野秀和)に触れる場面を終盤まで置かない
- 保呂草を、被害者の警護や現場での推理など、探偵役に期待される行動を担う人物として描き続ける
- 過去の未解決殺人(3年前の少女殺害等)は新聞記事・伝聞といった事件情報として作中に提示されるが、それを「保呂草」と結びつける手がかりは終盤まで示されない
フェアプレイの担保
- ゾロ目の年齢・7月7日/6月6日という規則性など、過去の事件と今回の事件を結ぶ手がかりは早い段階から繰り返し提示されている
- 複数の感想記事が「トリックにすぐ気づいた」「気づかなかった」の両方の反応を報告しており、手がかりの見つけやすさには読者間で幅がある
効き目
- 4人の関係者の一人として物語を牽引してきた人物が、実は追われている連続殺人犯本人だったという反転は、複数の感想記事で「騙された」「一晩おいた」といった強い驚きの反応を引き出している
- シリーズ第1作であるため、読者が「探偵役の一人」として信頼を寄せやすい導入になっている点が、反転の効果を強めている
弱点・破綻しやすい点
- 感想記事の中には「保呂草=秋野に気づかせる記述が少ない」「密室構成の一部(使用人が共犯だったのか等)が曖昧」との指摘がある
- 一部の感想は、この仕掛け単体の意外性よりも、続刊にまたがるシリーズ構成上の位置づけを重視して評価している
- 引用元
- [レビュー・感想] ネタバレ感想(「保呂草さんになりすましていた秋野秀和は」と明記し、犯行の経緯・動機・被害者関係を通しで整理)
https://trend-tracer.com/v1-delta/ (確認 2026-08-08) - [評論・考察] ミステリーレビュー(「本作の最大のトリックは、本シリーズの語り部である保呂草が犯人であること、正しく言えば保呂草を語った秋野秀和だったこと」と明記)
https://note.com/sakanagatoreta/n/n70c07737b81c (確認 2026-08-08)