類別叙述トリック集成

一覧 / 七回死んだ男

七回死んだ男

西澤保彦 / 1995

ネタバレ度:致命
メタ
叙述N-時代と時期N-語り手の信頼性N-行為の偽装
媒体固有T-小説/一人称の空白T-共通/囮の仕掛け
効果E-語り手は自分の属性を知っているE-語り手は正しく知覚しているE-語られた出来事は実際に起きている
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

先に作品にあたるなら、こちらから。

Amazon で探す →

仕掛けの要約【ネタバレ】

語り手は、同じ一日が繰り返される体質を持っている。

資産家の祖父が後継者を決めると言い出し、親族が揉める。

その最中、祖父が殺される。

語り手は繰り返しの中で祖父を救おうと、手を変えて何度も試みる。

真相——繰り返されていたのは、語り手が思っていた日ではない。

語り手は1月2日が繰り返されていると信じていた。

実際に繰り返されていたのは1月3日である。

そして祖父は殺されていない。

死因は基本的に本人の飲酒によるものであり、

「犯人」とはそれを殺人に見せかけた者のことだった。

騙しの技術

語り手自身に、状況を誤認させる。

繰り返しを認識できるのは語り手だけである。

誰も訂正できない。

語り手が「今日は1月2日だ」と思えば、記述はそう書かれる。

作り手は嘘を書いていない。語り手が誤っているだけである。

因果の帰属を誤らせる。

祖父が助かった回があると、語り手はそれを「自分の行動の結果」と解釈する。

実際には日付が違うことによる別の因果である。

語り手は「自分が変えられる」と信じているため、 すべての変化を自分に帰属させてしまう。

「殺人」という枠組みを与える。

祖父の死体が繰り返し発見される。

受け手は当然「誰が殺したか」を考える。

「そもそも殺されたのか」という問いが立たない。

T-共通/囮の仕掛け

時間反復という設定を前面に出す。

設定そのものが目を引くため、 受け手の注意は「どうすれば救えるか」に集中する。

「今日は何日か」を誰も数え直さない。

フェアプレイの担保

効き目

弱点・破綻しやすい点

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

Amazon で探す →

関連する型神のロジック仮面山荘殺人事件極限脱出999

← 一覧に戻る