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倒錯のロンド

折原一 / 1989 / 小説

読者が誤認するもの

人物›人物の誤認›複数を一人
体裁›入れ子›作中作・作中の記録
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層メタ
叙述N-語りの階層N-人物の同一と別N-語り手の正体
媒体固有T-小説/記録という体裁
効果E-同じ名前=同じ人物E-作者は物語の外にいる

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

小説の原稿が盗まれ、盗作された作品が新人賞を受賞する——という筋を、読者は追う。

その過程で読者は、誰が盗まれた側で誰が盗んだ側かを取り違え、

さらに別人である二人を同一人物として読む。

そして最大の仕掛けは、地の文だと思って読んでいた部分が、 作中の誰かが書いた作品や日記だったという階層構造にある。

入れ子は一重ではなく、最も外側には作者自身が現れる。

騙しの技術

地の文と作中作の境目を示さない。

本文として読み始めた記述が、実は作中人物の書いたものだった、という構造。

どこからどこまでが誰の書いたものかを明示しないことで、

読者は階層を意識せずに「本文」として受け取る。

入れ子を重ねる。

作中作の中にさらに作中作があり、最も外側には現実の作者が置かれる。

どの層の話をしているのかが、読者の側で確定できない状態が保たれる。

立場を反転させる。

被害者に見える人物と加害者に見える人物の関係が入れ替わる。

盗まれた側だと思って読んでいた人物が、先に盗んでいた。

フェアプレイの担保

  • 人物の言動に不自然さが置かれており、同一人物として読むには無理がある手がかりが与えられている
  • 階層構造は最終的に整合的に説明される
  • 作者自身が最も外側に現れることは、あとがきという形式で明示される

効き目

  • 「本文とは何か」という前提を崩すため、仕掛けが物語の内側で完結しない
  • 立場の反転と階層の反転が二重に効く
  • 殺人が起きるにもかかわらず喜劇的な調子が保たれ、その距離感が構造の露出を助けている

弱点・破綻しやすい点

  • 入れ子が深いため、構造を把握しそこねると何も残らない
  • 登場人物が構造のための駒として扱われており、人物への感情移入は薄い

(これは意図的な選択だという評価もある)

  • 「実は語り手が正常でなかった」という処理が併用されており、賛否が分かれる

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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