類別叙述トリック集成

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虚無への供物

中井英夫 / 1964

ネタバレ度:中
メタ
叙述N-逆手N-動機と心理
効果E-提示された解決は真相E-読者は物語の外にいるE-探偵は物語の外にいる
媒体小説

⚠️ このページは作品の核心(真相)に触れます。未読・未視聴の場合はご注意ください。

まだ読んでいない方へ。この下は真相に触れます。

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仕掛けの要約【ネタバレ】

推理そのものが仕掛けの対象になっている作品。

複数の登場人物が探偵役として推理を披露する。それらは次々に否定される。

読者は「いずれ正しい推理が示される」と待ちながら読むが、

最終的に示されるのは、事件と呼ばれていたものの多くが事件ではなかったという反転である。

そして結末は、推理を娯楽として消費する読者自身を名指しする。

「安全な場所から他人の不幸を眺めて面白がる」側にいることを突きつける構造になっている。

騙しの技術

解決を何度も提示し、そのたびに否定する。

「作中で解決が示された=真相が判明した」という読者の前提を、

繰り返し裏切ることで無効化する。読者は途中からどの推理も信用しなくなる

推理の対象そのものを疑わせる。

関連のない出来事を並べて提示し、登場人物がそれを一つの事件として組み立てていく。

その組み立て作業自体が、読者の読み方の戯画になっている。

読者の位置を作品内に引き込む。

結末の告発は作中人物に向けられていると同時に、読んでいる側にも向いている。

「読者は物語の外にいる」という最も疑われない前提が仕掛けの標的になる。

フェアプレイの担保

効き目

仕掛けが物語の内側で完結していない

弱点・破綻しやすい点

(複数の評が「再読して初めて狙いが分かる」と述べている)

読み返してみませんか。

仕掛けを知ってから読むと、同じ記述が別の意味で通ります。

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